融和運動とは『太陽政策』であり 古来より大和民族の基層をなす。

自由同和会京都府本部
会 長 上田 藤兵衞

謹んで新年あけましておめでとうございます。

皆様には輝かしい新年をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。

早速ですが、せんえつながら冒頭見ていただきましたプロモーションビデオで新春懇親会の開催を宣言致しましたのは、去年が私たちの「自由同和会」が第30回大会を迎えました。

そして本年は「結成30周年」という、その節目と重ね合わせまして、同時に私どもの「融和運動の歴史」や「運動の主旨」「その目的」をもう一度ここで振り返り、確認する為に企画したものであります。

それでは、出来るだけわかりやすく運動の始まりの歴史をご説明しますのでよろしくお願いします。

ご案内のように、古くは日本民族を去勢(注1)した徳川幕藩の封建遺制を打破して、身分制の解放や近代国家建設に向けて明治維新は開かれたのでありました。

そして身分制の解放、すなわち融和政策とは「人間の尊厳を掲げ、お互いを尊重し合える社会を作ろう」と御誓文(注2)から発した精神は、特に固定化されていた「部落差別の撤廃」を掲げる融和運動(注3)として誕生したのであります。

それをもって、全て国民は平等であるとした「解放令」(注4)に至った歴史と、その後の融和運動が官民合同でさまざまに取り組まれて来まして、「差別の撤廃」を国の根幹をなす国家的事業としても推進されてきたのでありますが、運動内の対立や競合、激動する社会状勢の中から新たに大正11年、ロシア革命の影響で誕生した水平運動と、ご説明している明治維新で誕生した私たちのこの融和運動が、それぞれ純化(注5)していきまして、自由主義的な我々の運動とイデオロギーに制約された運動に別れたまま戦争に突入したのでありました。

さて、言うまでもなく戦後の日本は民主主義国家としての憲法が公布されまして今年は70周年であります。そこでの前文に始まる天賦人権(注6)や第三章から始まる基本的人権は、前述の明治4年に公布されました解放令と並び国の根幹をなすものなのであります。

従って、大戦後も「部落差別撤廃」を国家的事業として、また国家の安定点としても推進すべく立ち上げられた「同和対策審議会答申」、次いで「同和対策事業特別措置法」とつなげての33年間この施策が実施されることになりました。

ところが、この事業が半ばをすぎると事業実施の有効性をなくしていきまして、運動本来の目的と手段が逆行してしまう事になってしまったのであります。

それは部落の環境改善事業が主たる目的になりましたから、トータル15兆円という事業予算にどの解放運動団体もこの利権の分取り合いとなり、運動本来の体質に変化をきたす事になりまして、あげくには団体間の争いが反社会集団の介入をきたしました。

その上に商法の改正と重なり、企業からはじき出された総会屋や事件屋といわれる知的集団が同和対策事業に群がって来まして、参入してきたことで全国的に、エセ同和団体(注7)が300団体とも400団体ともいわれるぐらいに爆発的に膨張しまして、国家や自治体のガバナンス(注8)までもが収拾の付かない混乱状態をきたしたのであります。

私どものこの京都でも、昭和60年当時100人以上の逮捕者が出る惨状でありましたし、全国各地でも毎日数えきれない事件が頻発しておりました。

政府もこの危機を克服すべく、すばやく対応され、それまでの「同和対策協議会」を「地域改善対策協議会」と改変しまして、同和対策の関連法を人権政策に高めて発展的に解決すべく、恒久法の作業に着手して下さいました。

私どもも、これらエセ同和は本来の目的である「差別の解消」を逆行させますから早くから取り組みをしておりましたところ、政府の地域改善対策協議会と自由民主党よりの強い要請に基づいて、この京都で立ち上げたのが今日の私どもの「自由同和会」でありまして、早いものでその30周年を本年迎えたわけであります。

そしてその当時の最高責任者が、プロモーションビデオに出ておられる先生方であります。

特に、政府の地域改善対策協議会の会長である磯村英一先生や、私たちの融和運動のルーツでもあります「清和会」の安倍晋太郎自由民主党幹事長。私自身とパイプがありました竹下登総理には、直接お会いもしてますが、総理との手紙のやり取りを通じまして、野中広務先生が私どもの運動の窓口になってもらえる事となりまして、現在政府へ取り組みをしております「人権擁護法案」と、ここにつながる法律(注9)を作って下さったのであります。

京都においても、京都市政に混乱を来たしておりました同和行政の終結に向けて、やはり自民党から強力なご支援を賜りました。

特に本日お越しの二之湯智先生と北川明先生が先頭に立たれまして、自由民主党・京都市会の皆さんをまとめられ、私どもと共に立ち上がり市政の主体性を取り戻すべく強力なご支援を賜りましたことを改めてお礼申し上げます。

 

ここでお願いがございます。

33年間に渡り続けられて来ました同和対策の特別措置法が失効して今年は14年を迎えますが、それは主としてご説明しております問題となっている利権化した同和地域の「地域改善対策事業法」の失効でありまして、本来の目的とする部落差別は解消に向かっているとはいうものの地区内の人口減少など他の要因に負うところがありまして現在、差別は多様に分散しております。

いじめやネット上の悪質な差別書き込みなどが加速度的に増加して来ております。

無論、ヘイトスピーチ(注10)もこれら差別意識の派生にあるのですが、悪質化してきておりますから、これまでのようにこれらを個別法でひとつひとつ対処していても、本来の差別解消には至らないのであります。

昨日の(1/14)の新聞発表にありますように、刑法犯が戦後最少にありますのに、これら人権侵犯や「人権侵害事件」の増加が止まらないのであります。

「地対協」の意見具申にもありますように「部落差別が現存する限り、この行政は積極的に推進されなければならない」と指摘しており「一般対策移行後は従来にも増して行政が基本的人権の尊重という目標をしっかりと見据え主体的な姿勢が求められる」としております。

つまり、政府は私たちの「自由同和会」が提言し、国会へ上程して来ております恒久法である「人権擁護法案」の成立とつないでの解決を目的としてその責任を果たそうとして下さっておりまして、この事を尊重して地対協は「意見具申」をして下さっているのでありますから、地域の状況や事業の必要性の的確な把握に努めていただきますよう関係各機関へ現在要望して廻っております。

是非ともこの「意見具申」を徹底して頂きますようよろしくお願い申し上げます。

また、現在自民党内で個別法で対応しようとする動きもありますし、反対はしませんが私は自民党内にもうけられていた「人権問題等調査会」の復活をお願いしていきます。

近々この事で谷垣幹事長ともお会いします。

 

どうでしょうか、みなさん。

憲法の理念や「世界人権宣言」を声高に訴えるまでもなく、私たちには私たちの先達が求めたヒューマンライツな精神を今日の私たちもこの社会からいわれのない「差別や貧困を撤廃」しようと自分の力と手弁当で立ち上がり、この問題の根絶を訴えて国家の安定点を高めて来ているのであります。

少子高齢化の問題も私は永年訴えて来ましたが、ここに来て安倍政権は地方創生、一億総活躍を素早く立ち上げてくれました。

それは、同時に国家も「差別や貧困、少子化」をなくすこれらの融和政策を国家的事業として推進して行かなければ、日本の未来はないという危機感を、私たちの運動や国民と共有するまでに高まったということであります。

どうかご参加して下さっている皆さんと共に、これからもインフラ整備(注11)も含めて、よりよい豊かな社会づくりに向かって頑張ってまいりますので、引き続いてのご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

結びになりますが、本年は目前に迫っている京都市長選挙と夏には参議院選挙を控えております。

先程ご紹介しました自由民主党公認の二之湯智・前総務副大臣をはじめ衆議院議員の田中ひでゆき先生、同じく安藤ひろし先生。

京都府からは山内修一副知事様、京都府議会議長の植田よしひろ様、京都市会議長の津田だいぞう様、また京都府下一円の自治体の代表者の方々や、各種団体、大学など各界各層からの代表の皆様。

そして、全国の都府県より多くの同志にも駆け付けていただきました。

本年も、このように盛大に開催出来ました事を役員を代表致しまして、心から心から皆様のご健勝ご多幸をお祈り申し上げまして、年頭の決意とお礼のご挨拶とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

(注1)「去勢」

ネオテニーともいい、移動の自由を奪い固定化すると性的に完全に成熟した個体でありながら非生殖器官に未成熟な、つまり幼生や幼体の性質が残る現象のこと。体幹も小型化することをネオテニー現象。

(注2)「五箇条の御誓文をいう」

上下心をひとつにして・・・旧来の因習を破り天地の公道に基づくべし。

(注3)「融和運動」

「融和政策」ともいう「太陽政策」とも呼ばれ社会的弱者を包摂する運動のこと。我々の運動の先達の中から第35代内閣総理大臣平沼騏一郎先生を輩出する。

(注4)「解放令」

1871年明治4年明治維新政府は、近世社会の最下身分とされた賤民身分職業平民同様とする「太政官布告」を出す。「ハレの対極をなす人々」

(注5)「純化」

好ましくない要素を取り除くこと

(注6)「天賦人権」

平等思想の基層をなすもの

(注7)「エセ同和団体」

国が認定していない偽物の団体

(注8)「ガバナンス」

統治のことを言い、組織や社会に関与するメンバーが主体的に関与を行ない意思決定・合意形成をおこなうシステムを言う。

(注9)「法律」

「人権擁護施策推進法」1996(平成8)年12月制定され、翌年3月から5年時限立法として施行される。この法律は、人権擁護に関する施策推進など国の責務あきらかにし、人権擁護資することを目的としている。そして、人権教育および啓発に関する施策及び人権侵害における被害者救済に関する施策について審議されることになる。 「人権委員会設置法」

(注10)「ヘイトスピーチ」

人種・宗教・性別・職業などの要素に起因する増悪を表す表現行為。

(注11)「インフラ整備」

インフラとは、インフラストラクチャーの意味で、生活や産業基盤となる公共設備を整え、充実させることを言う。

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